ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

卵の中から農薬が・・・。

卵の中から農薬が。

 

朝食に半熟ゆで卵が好きなドイツ人。その卵の中から農薬が検出された。

 

農薬が検出されたのはオランダ産の卵で、ドイツの多くの店舗に卸されている。現在オランダおよびドイツで農薬が混入している可能性のある卵の回収が行なわれるとともに、消費者に注意を促している。

 

検出された農薬はフィプロニルというもので、農作物を害虫被害から守る為に使用されるだけではなく家畜やペットについたノミやダニといった害虫駆除にも使用される。

今回は養鶏農家で鶏の飼育施設の清掃・害虫駆除に使用されたものが、鶏に取り込まれ、その結果、卵の中が農薬で汚染される事になっという見方が有力である。

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ちなみにこのフィプロニルだがネオニコチノイド系農薬とともにミツバチの大量死の原因の一つではないかと推測されており、今から数年前にフランスでおこったミツバチの大量死の際には直接の原因はフィプロニルであるという結論がまとめた。

 

さてフィプロニルの毒性だが、遅効性であり、この毒に暴露した昆虫は直ぐには死なないと聞く。ゆえにゴキブリや白アリ駆除等にも使用され、この毒を摂食した固体は巣に戻ってから絶命し、またその糞や死骸がさらなるフィプロニル元になるため、巣全体への効力は広いという。

 

人間の場合における中毒症状だが皮膚や目などの炎症、また頭痛や嘔吐などが挙げられる。またこの物質は神経に影響をあたえるため神経過敏などの症状が生じる事もあり、加えて神経毒のため、個人の感受性によって毒性が強く発症される恐れもあるらしい。現在オランダ・ドイツでは卵から検出された農薬が致死量に至らなくとも中毒症状、とりわけ子供の中毒症状の発症に注意を促している。

 

なおドイツ国内でもフィプロニルの調査が行なわれており、既にいくつかの養鶏場でのフィプロニルの使用が確認されている。またオランダからの卵の中には有機農法、オーガニックの卵も含まれている。(ドイツではビオという)。このビオの概念だが遺伝子組み換え植物、化学肥料、農薬の使用は禁止を挙げているが、今回の汚染卵の一件でどうも家畜舎の洗浄剤の規定・規則および監視が緩いのではないと自分は考えるようになった。その考えが正しいかのように、今日の新聞では市販の許可が下りている飼育施設の洗浄剤の中に使用制限があるフィプロニルが混じっていたという。

 

ソース。

NDR, Tagesspiegel, Zeit