石綿レジスター
石綿含有建築を発見し登録することは重要な課題である。石綿レジスターと言う。公共の建築物に関しては石綿含有調査後に石綿レジスター帳(データーベース化されたもの)に記述することは可能だろうが、民間・個人所有の建築物は個人情報の関係で石綿レジスター帳を作成し、石綿の有無を登録することは難しいと聞く。
そんななか、進んで石綿含有建築を発見し、それをマッピングしようとする動きもある。
オランダと国境を接しているフランデレン地方はベルギーの北半分を占めており、地方政府が設けられている。このフランデレン地方政府は積極的に石綿対策にのりだしおり、2014年にアスベスト排除促進プロジェクトを発進している。
同地方は2040年までに石綿無害、アスベスト・セーフのフランデレン地方を目標としており、高リスクである石綿含有建材、例えば石綿含有のスレートの屋根などを2034年を目処に段階的に排除していく計画である。
「高リスクである石綿含有建材、例えば石綿含有スレートの屋根」という一言でも分かるように、石綿含有屋根を健康リスクが高いものと捕らえている所でこの地方政府の石綿対策姿勢がここドイツと大部異なる事がわかる。
同地方政府は昨年夏、より進歩的な新政策「アクションプラン:Asbestos Reduction/石綿負荷の削減」決めた。そのアクションプランの一つが石綿の発見調査とそのマッピングである。はじめに石綿含有の屋根の検索が行われていると聞く。
これは解像度の高いカメラをつんだドローンが上空からの地上を撮影するのだが、その再に繋がっている人工知能(AI)が石綿セメントからなら灰色の屋根や波型スレートの屋根を自動検出すると言うものである。そしてその検出さてたデーターは地図上に、これもまたAIによりマッピングされるという。
今から20年ほど前に一軒づつ記載されている地図と色鉛筆を持ってパラボラアンテナの普及状態を調査した事があるが、そのような事をドローンが自分で飛んでAIが画像を解析して、更にマッピングしてくれるのである。
なおこのシステムはVision on technology for a better world (VITO)というベルギーの研究機関が中心となり開発をおこなったと聞く。
なおこのアクションプランは次の4つの柱からなる。
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屋内・屋外の石綿含有建材の発見とマッピング
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石綿含有製品の段階的な廃止
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高リスクの石綿含有製品の段階的廃止に関する市民への情報提供と率先した取り組み
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(国)政府に対し模範を示す
またこのために2018年、19年に総計2720万ユーロ(約34億5千万円)の予算の準備がある言う。
ちなみに日本も年間50億円くらい石綿対策費予算としている。内訳は被害者救済が約33億円、除去・廃棄対策などが約17億円。救済資金を除外しての対策予算約17億円はフランデレン地方の一年当たりの予算(約17億円)と同じである。
ソース:Vision on technology for a better world (VITO)
Artificial intelligence to detect asbestos in Flanders