ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

新容器包装廃棄物法

一部の大都市でディーゼル車乗り入れ禁止が施行される2019年1月1日。

 

実は同じ日より「新容器包装廃棄物法(Verpackungsgesetz)」も施行されるここドイツ。

今までは条令として容器包装廃棄物の回収、リサイクルに取り組んでいたドイツだが、これが強化・改正され、法律として効力を発揮する事となって。これにより「ゴミ」のリサイクル率の増加をめざす事になる。

 

下記の図で2019年以降のリサイクル目標率を示す。なお2022年以降の目標も公に発表されているが、今回は省略する。

 

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この図よりプラスチックのリサイクル率が低いのが見うけられる。今回、施行されるこの新容器包装廃棄物法でプラスチックのリサイクル率が少しでも高くなれば良い。

 

さて対象になるのは一般個人が最終消費者として商品を買った際に使用されている包装材、通常販売容器と言われる物である。食料品や衣類、化粧品や医療品の袋や箱、オンラインショッピングで使用されるダンボールの箱やプラスチックの緩衝材(例えばビニールのプチプチ)、液体洗剤の容器、歯磨きのチューブやマヨネーズの容器など多種多様な販売容器が流通している。販売容器を簡単に言えば直接商品に接している容器や包装材の事で、消費者が商品を買った後、ゴミとして廃棄される物と説明できる。この最終的にゴミとして捨てられるプラスチックの容器や包装材を効率良く集め、再資源化する事が求められる。

 

加えて一般個人が購入しない場合でも家庭と同じようなゴミがでる場合、例えば学校や行政機関、病院や会社やホテルなので購入した商品に使用されていた包装材などもリサイクルの対象になる。

 

さて自分を含め一般消費者にとっては変化はなく、今まで通り、ゴミの仕分けをし、色分けをしたコンテナに廃棄する。

 

しかし包装材を使用する側、この場合包装材を使用し流通に流す事業者、通常「中身メーカー」と呼ばれる、販売容器の「中身」、例えばポテトチップスやヨーグルトやプリン、シャンプーやリンス、ペンキや逸れこそ袋に入っている釘や花壇の土、キャットフードやドックフードなど多種多様の中身を生産しているメーカーにはいくつかの新しい決まりが適応される。

 

現在まで多くのメーカーではグリューネ・プンクト(グリーン・ドット)マーク、もしくはそれに順ずるマークを製品につけ、そのマークがある包装材は回収されるようにシステム化されてきた。

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しかし今度の法律化にともなって中身メーカーは年間の使用し、流通にまわる包装材の推定量を新たに組織化されて中央包装登録局(Zentrale Stelle Verpackungsregister)の包装登録データベースに包装材の種類と素材と共に登録する義務が生じる事になった。なお登録料は無料である。また登録されたデーターは公開されるので、一般消費者でもメーカーが正しくリサイクルに貢献しているのか見る事ができる。

 

また同時に中身メーカーは流通させた包装材を回収する義務がある。現在までもグリューネ・プンクトマーク、もしくはそれに順ずるマークの付いた包装材に関しては回収し、分別し、そして資源と再び加工され使用されてきており、中身メーカーが費用を捻出している。(私的にいえば中身メーカーはこの費用も入れて製品価格を決めていると思うで、よって製品を購入する消費者も費用の一部を負担している言う事ができると思うが・・・)。

 

今回の法律化によって回収が強化される。実質的には中身メーカーは包装登録データベースLUCIDに登録した包装材をリサイクル業者に依頼し回収をしてもらう。なおその際には中身メーカーはリサイクル業者と回収契約を結び契約金を払う事になる。

 

上記は中身メーカーを中心に書いたが、オンラインショップも多様な包装材を使用するという事で、同様の登録義務および回収の義務が生じる。今まではオンラインショップで何か購入すると箱だけ必要以上に大きく、中には緩衝材がぎっしり・・・という事も多くあった。これが改善される事だと期待する。

 

法律化する事でデーターベースに未登録であったり、リサイクル業者と契約をしていな場合など法律違反となり最大20万ユーロの罰金が科される可能性があるとも聞く。

 

あとついでなのでサービス容器についても少し記載する。

 

サービス容器とは主に外食産業で使用される使い捨ての紙・プラスチックのコップやその蓋、ピザのデリバリー配達の箱、ケーキ屋さんのケーキの箱やパン屋さんに紙袋。また対面式で肉や魚、チーズを購入する際に使用される包装紙、スーパーにあるサラダやお惣菜の容器などがサービス容器である。これらもしっかり回収されるべきである。

これらのサービス容器では包装素材や容器を製造したメーカーに登録義務が生じる共に、包装廃棄物の再利用可に積極的に参加してもらう事になりそうだと聞く。

 

近年使い捨て容器はドイツ国内でも大量に使用され廃棄されており、社会問題である。大手のコーヒーショップなどでは自分のカップを持参する人に割引をしたり、デジポッット性のカップを導入したりと色々と挑戦しているようだが、浸透していない。

 

そんな中2018年12月末のニュースだがテュービンゲン(シュトゥットガルトのちょっと南)では使い捨て容器に対し課税する方針を打ち出したと聞く。ニュースによると2020年からこの課税システムを導入する予定だと言う。これによりドイツ国内で初めて使い捨て容器が課税される事となる。

 

ソース

https://www.bmu.de/pressemitteilung/neues-verpackungsgesetz-staerkt-recycling-und-mehrweg/

https://www.tagblatt.de/Nachrichten/Es-ging-um-den-Wurstsalat-398065.html