ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

猛暑と農作物

このところ本職やアルバイトが忙しく、趣味のブロクまで手がまわらない。

 

就業後にブロクのための時間を取れば良いのだが、毎日快晴なのでついつい夕方にロードバイクにまたがって2時間ほどサイクリングをしてくる。そうすると1日終わりである。雨が降ると自転車に乗れないのしっかり晴れている間に走り貯め・・・・。

 

ところがここしばらく全然雨が降らない。自転車の走行距離の貯蓄だけが増えている。何故か体重は減らない。

 

さて自転車では大体同じ道を走るので違いに気付くも多い。今年気がついたのは農作物の収穫の早さである。

 

今年は暑い日がつづき農作物の収穫が大分早い。近くの畑でも7月はじめには牧草狩りがすんでしまった。ワイン用のブドウの成熟も大分進んでいる。これ自体まったくありがたい事である。

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しかしこれだけ猛暑がつづき雨の降らない日が続くと、そろそろ心配する声が聞こえてくる。

 

 

畑の土は乾燥しボロボロとくずれ、砂埃をあげる。一度乾燥すると雨が降っても水の吸収が悪くなるという。通常は作物の収穫後、次の年の為に土つくりがおこなわれるが、これができない状態でいる農家があると聞く。

 

家畜の飼料用の穀物の話をすれば、収穫こそ早かったが、高温によるストレスで植物自体へのダメージ、また稲穂や麦穂へのダメージが懸念されており、収穫高は例年より低くなると見込まれている。これは穀類だけではなく他の野菜や果実でも心配されている。

 

大学での植物生理学の授業を思い出して少し書いてみる。

 

植物には気孔という穴がいくつもあり、根から吸い上げられた水はこの穴より水蒸気になって放出される。気温があまりにも高いと植物はこの穴を閉め、体内の水が空中に放出されるのを防ぐ。簡単だがよく考えられている仕組みである。

 

ただしこの穴が閉じていると植物は光合成に必要な二酸化炭素を空中から取り入れる事ができないし、また体内で酸素は生産されず、排出もされない。早い話、光合成が進まなくなるのである。光合成が進まないと植物はでんぷんや脂質をつくれず、果実や野菜の成長が止まったり、場合によっては全然果実がつかない・・・・という事がおこるのである。既に収穫されて穀類やこれから収穫予定の果実や野菜の値段の高騰、また家畜飼料の十分な供給など色々と心配要素が見え出してきている。

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またこの暑さにまいっているのは人間だけではない。動物たちの多くも暑がっている。

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畜産家畜も同じで、乳牛なのでは乳の出が悪くなっている。牛乳を飲むの人間ばかりではない。子牛も牛乳で成長する。暑さと母牛の乳の出の悪さでダブルパンチをくらっている子牛も多い。

 

また有機酪農家や有機畜産農家では通常、家畜の餌も無農薬の新鮮な牧草や野菜、穀類なのだが、家畜の餌になる植物の不足で化学飼料の使用を余儀なくされる事を心配している。そうなると「ビオ農家」としての尊厳にも関わってくる。

 

ドイツのどの地域でどのような植物を育てるかによって多かれ少なかれ違いはあるものの、ドイツ・農業団体は20から50%の生産高に削減を懸念していると聞く。

 

ソース

WRD5ラジオニュース