ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

地下鉄のストとアスベスト(その2)

地下鉄のストライキの話 (その2)

 

前回につづきブエノスアイレス地下鉄とマドリード地下鉄の話。

 

マドリード地下鉄は問題渦中の真っ只中いる。

 

その一つは同地下鉄公社がアルゼンチンの首都を走るブエノスアイレス地下鉄に石綿含有の中古車両を譲渡した事にある。スペイン、アルゼンチンともに石綿の輸出・入および取引は2001年より禁止になっているのが、その規制設立後10年を経しているのにも関わらずブエノスアイレス地下鉄に譲渡された車両に石綿が見つかったという。

               f:id:decohana:20180710200551j:plain

 

どのような経緯で譲渡が行なわれたのか現在調査中だと言う。

 

さて今回は石綿含有車両の輸出元であるマドリード地下鉄について記述したい。

 

マドリード地下鉄とはスペインの首都マドリードにある地下鉄で、かない大きな地下鉄網である。

実はここの地下鉄でも先6月にストライキが行なわれたのである。

これはスペイン最大規模の労働組合と同地下鉄の運転士組合が共同で行なってものであり、地下鉄公社従業員は現存する石綿の管理や対応の改善、従業員の健康管理と同社の責任を要求すると共に具体的な健康管理システムの枠組みをつくるように訴えた。

 

メディアによると現在まで4名の元従業員が石綿由来の癌を発病させており、すでに1名は亡くなっている。この4名は業務中の石綿疾病とし補償の対象となっている。なお勝手な憶測だが石綿由来が立証されなく、補償の対象になっていない患者もいることだろう。

 

さてマドリード地下鉄であるがスト決行日の直前に労働組合側と交渉をおこなっており、一部の要求で合意がなされいる。それによれば当初の予定では石綿曝露の危険がある作業に順次している整備士など470名を対象に石綿疾病特別健康診断を行なうというもではあった。

日本では通常雇用者が社員の健康診断を行欧州では健康診断は自己責任である。よって今回マドリード地下鉄が健康診断を行なった事はかなりまれな事である。それだけ従業員の石綿問題と重要視した結果であるだろう。

しかい今回の交渉で上記の470名だけではなく、石綿曝露の危険が低い運転手や信号手なども石綿疾病健康診断の対象者とし、計1000名まで拡大するという方針で話がまとまった。(ちなみにマドリード地下鉄の従業員数は7000名はどである)

 

またその他の部署の現職従業員に対しては希望があれば今回1回限りの健康診断を受ける事ができるという。ただし退職した従業員には適応されない。

 

またマドリード地下鉄は2025年までに1億4千万ユーロ(約180億円)かけて石綿を対策を行なうという。

手始めに500万ユーロ(約6億5千万円)を導入し車両に使用されている石綿含有部品の取り替えからはじめるという。この作業は2019年内には完了する予定である。また地下鉄駅構内にある石綿除去を目的とし、今夏よりいくつかの駅にて除去作業を始めるべく、手続きが開始されるという。

 

しかしお国柄なのかもしれないがそれでもストライキが決行された。

 

     f:id:decohana:20180710200501j:plain

ソース

     

http://www.latinxtoday.com

https://tribune.com.pk

https://www.sertox.com.ar

https://www.metromadrid.es

https://www.thinkspain.com