ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

ドイツ環境省制作ジャーナル誌「Mehrwert」の紹介・その1

現在アスベスト関連での情報発信が主流になり(なんせ、お給料を頂いている仕事絡みなので・・・)生物関連の情報発信は遅れています。済みません。

 

実はドイツ環境省が制作したジャーナル誌「Mehrwert」の編集部に連絡し、当方のブログで紹介する許可を頂きました。少しづつこのジャーナル誌「Mehrwert」について書きたいと思います。

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この雑誌はドイツ国内の生物多様性を軸に自然と生物の保護について書かれています。環境省の制作という事なのですが、ジャーナルの構想から編集作業まで、すべての過程をフリーの独立系ジャーナリストの皆さんに委託し制作されました。約70ページからなるこのジャーナルにはカラー写真も多く使用されおり、写真だけでも自然写真展覧会のカタログの様な高い質です。フリーペーパーとし、2万5千部発行され無料で配られました。

 

各記事はドイツを代表する環境ジャーナリストにより執筆されており、生物多様性、農業、エネルギー転換、自然保護、畜産、種の保存などに係わるテーマの特集、インタビュー、ルポタージュがまとめられています。

 

下記簡単に内容の一部を紹介します。

 

・・種の保護と風力発電の葛藤

・・野生のオオカミの回帰とその問題点

・・侵略的外来種対策の難しさ

・・国立公園をめぐり

・・家畜の在来種の減少

・・農業と環境保全の難しい関係

・・食糧の廃棄問題

 

環境省のシュローレン広報担当長はこのジャーナル誌の出来の素晴らしさを賛称すると共にジャーナル誌の詳細には敢て関与しなかったとコメントし、またその理由としては、今日質の低下及び何かと束縛が多いジャーナリズムの中で各著者が自由且つ専門性の高い情報を提供できる場を供給する事で独立系の専門ジャーナリズムの強化を狙ったの事を示唆しています。また環境省はこの目的の為に微力ながら貢献できたと自負しています。

 

またこのジャーナル誌のプロジェクトリーダー兼編集長のハム氏はドイツ環境省からの発注であるにも係わらずフリーのジャーナリストに委託されたこの雑誌が世間一般で高く評価された事を自負しています。その成果は各ジャーナリストが環境省からの干渉を受けずに報道倫理に基づき公平な立場で執筆できた事と環境省が報道の自由を重要視し、意図的に関与しなかった事がもたらした結果であるようです。

 

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リンク

http://the-human-side-of-business.com/wp-content/uploads/MehrWERT_4_2017.pdf

 

追伸

ドイツのアスベスト関連に興味にある方は下記を参照下さい。https://www.facebook.com/decontajapan/