ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

石綿問題総合対策研究会(東京工業大学)

明けましておめでとうございます。

今年もほぞぼぞと書かせて頂きます。

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ただし更新が滞っている為、今日は本職絡みです。

 

今年も石綿問題総合対策研究会(石問研)が開催されます。

2018年1月27日(土)、28日(日) 東京工業大学の大岡山キャンパス

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この研究会の目的は下記の3点です。
1.将来の石綿関連疾患の健康リスクを低減させること
2.石綿のリスクと医学関連、調査と分析、管理、除去、対策、廃棄、リサイクル、建築、歴史、社会等の各分野の専門家、実務者、行政関係者、NPO等が一堂に会して研究成果発表
3.建設的で率直な討論、実務に有益な意見交換

 


日本は石綿全面禁止自体は欧州に比べ遅かったものの、2013年から毎年各界のアスベスト専門家が集まり、石綿問題の解決へ向け様々な立場からアプローチをし、それに伴う研究成果の発表や現場経験豊かな測定や除去の専門家の方の実務や経験に基づく率直な意見や対策に関する発表などが行なわれいます。また海外の最新事例や規制等の紹介もあります。加えてアスベストが引き起こしてきた社会的・歴史的な問題や被害に向き合ってきた人たちの実際の声を聴くことができ、やるべき取り組みを真摯に考える場を提供しています。

このように多様な面からアスベスト問題を取り上げ、また多様な分野の専門家が集まるこの研究会(学会・会議)は類がなく、大変有益な勉強会であると思います。

 

私が知る限り、ドイツではこれ程、多方面からの学会や勉強会はありません。

 

ここドイツでは1年に一回、有害物質除去に関する展示会が行なわれいます。同時開催で国や州の行政関連や労働安全対策機関、大手の測定機関、またこの展示会に出展者として参加している企業などが中心で会議が行なわれています。もちろん参加費を払えば一般の人でも会議を聴講し、また活発に意見交換に参加する事もできます。

ただし参加費は1日券で325ユーロ(4万4千円)、2日券で525ユーロ(7万1千円)です。(会議の資料とカフェテリアのお食事つきですが)

 

知識を得るためには、それなりの対価を払う事は納得できます。しかし個人では4万円という額は安くはありません。

 

毎年オランデでも欧州アスベストフォーラムという名前で会議が行なわれています。国内だけではなく、早急に対策が必要な旧東ヨーロッパ諸国の一つポーランドや、石綿対策のライセンス制度が確立されているイギリス、また遠い所からだとオーストラリア、ニュージーランドからも講演者を招待しています。

なおこの会議の参加費用は2日間で440ポンド(6万7千円)。なおランチと飲み物券付。グローバルな石綿問題の話が聞けて、またドイツより些か参加費用が安く、お徳かも知れません。

 

しかし、両会議とも、一般市民が参加するには費用面での負担が大きいのが問題です。(なので私自身も参加した事がありません。)この事から、この様な会議は格式重視で(裕福な又は研究費や会社経費でまかなえる)専門家の為であり、一般市民への情報提供や市民への啓蒙の意味を含んでいないと私は思ってしまいます。


欧州ではこんな感じなので、誰でも参加できるこの石綿問題総合対策研究会は素晴らしい活動だと思います。

 

この石問研はより多くの人に石綿の持つ問題に関しての情報提供をおこなっています。またより多くの人と情報交換をする場として、多くの参加者や関係者に支持・支援されています。(今年は参加できなく、本当に残念に思っています)

 

下記リンクを這っておきます。
http://www.tm.depe.titech.ac.jp/Asbestos_Research_Group/6th_meeting.html

お申し込み
http://www.tm.depe.titech.ac.jp/Asbestos_Research_Group/index.html

2018年石問研のプログラム
※プログラムは都合により、追加・変更される場合があります。演題は仮題を含みます。
http://www.tm.depe.titech.ac.jp/Asbestos_Research_Group/6th_meeting.html