ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

第23回気候会議と市民デモ

明日11月7日より23回気候変動枠組条約締約国会議(COP23)が開幕するドイツの旧首都ボン。参加国約200、世界中から2万5千人の参加者が見込まれている。

 

それに合わせ、ボン市内で昨日大きなデモが平和的な雰囲気の中で行われた。主催はBUNDNABUといったドイツの主要環境団体及びGreenpeaceWWFのドイツ支部など。

テーマは「脱石炭・褐炭」である。

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この呼びかけに答え2万5千人(主催者発表)がend coal!の為にボン市内の中心、ミュンスター広場に集まり、12時にend coal!への行進がスタートした。当初の予測では参加者数約9000人ほどだったと聞くが、実際には予測の2倍以上の人々が集まった結果になる。これにより市民の環境意識の高さが伺える。(ただしボン市の総人口は約32万ほどなので、デモに不参加な成人人口の方が断然多い。なおベルリンなどの大都市では10万人規模のデモも珍しくはない。またドレスデンの反イスラム運動のデモでも2万5千人が集まったと聞く。もう少し気候・環境の改善を求める人々の声が強くても悪くは無いと個人的に思う)

 

ドイツではまだまだ石炭褐炭火力発電への依存は高く全体の40%である。再生可能エネルギーの発電量(約38%)の上を行く常態である。また技術的な問題があり、風力発電で更ならエネルギー生産が可能なのだが、石炭・褐炭火力発電を休ませる事ができない為、風力発電のプロペラを意図的に制御して、全体の発電量を調整してと聞く。何十本かある中で時折、2,3本停止しているプロペラがあるのはその為であると聞く。

 

話を元に戻す。

 

13時45分、ケルンからの自転車デモ隊が到着。その数約1000人。ADFC(ドイツ自転車連盟)が主催となり、呼びかけを行い、その結果ケルン市郊外の広場に多くの自転車愛好家が集合。計画の当初は高速道路でのデモを申請していたと言うが許可がおりず、急遽ルートを変更しボン市内までの30キロの道のりを1000台の自転車がサイクリングしてやって来た

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15時30分、デモ行進は特設ステージのある会場に到着。

 

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15時30分、デモ行進は特設ステージのある会場に到着。会場のステージでは様々な人々が気候環境の改善、脱石炭・褐炭の重要性をスピーチ。マーシャル諸島からの代表はすでに海面上昇による浸食被害やまた水没危機を切実に訴えた。(マーシャル諸島は海抜3mほどの低い陸地で海面が1m上昇すれば80%の土地が沈んでしまうと言われている)。それにひきつづきセネガルからの代表やペルーからの代表(WWF)が次々にメッセージを伝えた。

 

 

またアメリカからの代表(Greenpeace)は10年前のバリでの第13回気候変動枠組条約締約国会議(COP13)「2020年までにCO2排気量40%削減」と言うドイツの温暖化問題に対する前向きな姿勢が大きな歓呼喝采を受けた事をスピーチすると共に近年のCO2排気量が削減されていない事実を指摘し、改めて政府機関及びメルケル首相に目標の遂行と達成を呼びかけた。

 

End Coal Now!!End Coal Now!!

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またステージには姿を見せなかったもののバーバラ・ヘンドリクス環境大臣(ドイツ社会民主党)もボン市内におり、「すべての石炭・褐炭火力発電の即時停止は難しいが発電所一つづつ順に停止の方向に向けていきたい」とメッセージを発表。(このヘンドリクス環境大臣は以前より石炭・褐炭火力発電対策の必要性と将来的な廃止を言ってきた)

 

それに対しデモ主催者側ではヘンドリクス環境大臣と同じ政党のジグマール・ガブリエル(元)経済・エネルギー大臣が石炭・褐炭火力発電から撤廃を強く反対した事を指摘・批難した。