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ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

ドイツ・環境・イタリアの話

Italyのお話。

 

現在はテレコム・イタリアの傘下に入りイタリアを代表するシステムソリューション事業を運営しているオリベッティ社。歴史も長い。

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このオリベッティ社の工場従業員約20名が2008年から2013年次々に中皮腫で死亡した

これは70年代後半から90年代中期まで工場で使用されていたアスベストの飛散による健康被害が原因とされ今月18日に地方裁判所にて判決が下った。

 

この裁判はオリベッティ社のデ・ベネデッティ「責任者」をはじめ、オリベッティ社及ぶ関係の幹部役員17人名を相手に起された裁判である。

 

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デ・ベネデッティ氏はイタリアでも著名な実業家で、イタリア最大部数を発行する日刊紙 レ・プッブリカ新聞社の所有者であるだけではなく、エネルギー分野、自動車関連分野などと幅広く事業を展開している。その為、裁判の成り行きに注目が集まっていた。

 

裁判にあたり同社工場従業員の死亡とアスベストの因果関係が2年以上の月日をかけて慎重に調べられた。その結果、デ・ベネデッティ氏をはじめ、幹部役員「アスベストの危険性を知りながらも適切な対策を怠った」と言う判決が下された。デ・ベネデッティ「最高責任者」及び兄弟にあたるフランコ「幹部役員」に対しては業務上過失致死罪・傷害罪とし禁固5年2カ月の実刑判決言い渡された。加えて判決では損害賠償支払いも命じられた。

 

なおオリベッティ社と関係が深いパッセラ「元経済開発・インフラ整備交通相」に対しては、90年代にオリベッティ社のCEOを努めていた経歴に基づき、責任に問われていたものの、1年11カ月の執行猶予と言う判決が言い渡された。

 

デ・ベネデッティ氏は今回の判決を「検察側の主張はまったく事実無根である。」とコメントを発表し、判決を不服として控訴するとの方針だと聞く。

 

 

近年イタリアでは子の様なアスベスト被害に対しての刑事責任が問われている。

 

イタリア北部にある汚名の高い建材製造会社エタニット社の裁判では従業員及び周辺住民2000人以上がアスベスト関連の疾病で死亡したとされ、当時の経営者2名に多額の賠償命令と共に禁固18年の実刑判決が言い渡された。

 

また大手タイヤメーカ・ピレり社の裁判では工場従業員20名がアスベストによる健康被害で死亡したとし、同社最高責任者に対し禁固7年11カ月の実刑判決が言い渡された。また同時に賠償金の支払いも命じられた。

 

この様にイタリアでは悪に対し個人の責任を追及する傾向があるようだ。

 

なお、エタニット社の裁判なのだが、地方裁、高等裁では当時の経営者の刑事責任が認められてものの、最高裁では「時効が成立している」とし、それまでの判決を廃棄し無罪を言い渡した。同時に賠償命令も取り消しになった。

 

エタニット社は富を築く為に健康と環境に多くの犠牲を出した。その結果が無罪と言う。被害者は遣るせない思いだろう。ここ数年被害者の数は増え続けている。

 

責任の追及も大切だが、被害者の救済・今後の石綿飛散対策の方がより大事ではないかと個人的に思う。