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ドイツ・環境・自然

環境の国って言われるドイツだけど、色々とジレンマがあるみたい。環境・自然を中心に日常の事書いています。

ドイツのジレンマ・グリホサートの話

Bio(ビオ)農作物や有機農法の人気が高いドイツ。しかしそれとは裏腹にビール14銘柄に除草剤の主成分であるグリホサートの痕跡が見つかったとの報道が2月にあった。

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このグリホサートは除草剤ラウンドアップの主成分で遺伝子組み換え作物で有名なアメリカの大手農薬メーカー・モンサントの商品である。グリホサートは以前の除草剤に比べて環境負担が低いと言われ、現在世界中で広く使われている。

しかし一部の動物についての有害性が指摘されており、人にとってもおそらく発がん性があると言われている。

 

ここドイツではグリホサート反対の声は大きく、また意識調査では約70%の国民が「グリホサート禁止」に賛成だと聞く。モンサント社自体もはかなり不人気なのだが、アスピリンで有名なドイツの大手医薬品メーカー・バイエルがモンサント買収計画を打ち出し、現在両者間で対話が継続されていると言う。なお買収提示総額は620億ドル(約6兆8200億円)。

 

私個人としては「バイエル社は国民感情を逆立て、わざわざイメージを悪くしなくても良いの」と単純に思ってしまう。

 

さてこのグリホサートなのだが、今月末、6月30日に認可期限が事になっていた。ここ欧州では薬品の認証期限が切れる=使用禁止になると言う図式が成り立つ。

EU委員会は今後15年間の認証有効期間の更新を提案した。しかし投票における更新案の採決は何度も流れてしまい、有効期間の切れる6月30日を向える事となった

 

結果としEU委員会は暫定的に18ヶ月間、認証期限を延長したのだが、グリホサート賛成派・反対派双方にとって満足のいく結果にはならなかった。なお今後18ヶ月間にECHA(欧州化学機関)が最新の研究結果と共にグリホサートの発がん性の危険の評価を行う予定であると言う。

 

フランスとマルタなどはグリホサートの使用にはっきり反対を表明している訊く。ここドイツはメルケル首相をはじめCDU(ドイツキリスト教民主同盟)は使用に関し肯定的な姿勢を示している。しかしヘンドリクス環境大臣をはじめSPD(ドイツ社会民主党)はグリホサートの発がん性の危険を懸念し使用に反対だと言う。その結果、更新案の採決時にドイツは何度も棄権している。

 

NABUドイツ自然保護連盟)はEU委員会の決定を利益重視の工業型農業を推奨するものだと批判な姿勢を示し、「健康及び環境に無害である事が証明されるまで、使用を禁止すべき」だとEU委員会に要求した。ちなみにBfR(ドイツ連邦リスク評価研究所)は現段階での調査によれば発がん性の危険は非常に低いと言う見解を示している。